菅直人首相は12日、首相就任後初めての街頭演説をJR新宿駅前(東京都新宿区)で行い、「民主党が一丸となって日本の閉塞(へいそく)状況を打ち破るために頑張りたい。政権を軌道に乗せ、経済と外交を再建する」などと支持を訴えた。
演説には枝野幸男民主党幹事長も並び、参院選に向けた政権の二枚看板のお披露目となった。首相は「経済、財政、社会保障を一体で強いものにしたい」と述べ、三者の一体的立て直しに取り組む考えを示した。また、所信表明演説でも強調した、行政の透明性の確保や責任感に立脚した外交・安全保障政策にも言及した。
枝野氏は「これまでの古い政治に戻してはいけない。私たちにもう一度チャンスを下さい」と訴えた。【影山哲也】
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【法廷ライブ SS元船長第3回公判】(9)完
《環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」抗議船「アディ・ギル号」の元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)に対して、傍聴席から見て左側に座る男性裁判官が質問を続けていく。裁判官はベスーン被告が調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」に向けて酪酸(らくさん)入りの瓶を5発程度撃った際、1発しか命中しなかったとする証言について尋ねた》
裁判官「1発目はなぜ当たらなかったのですか」
被告「ボトル(瓶)の大きさが小さく、空気が漏れてしまいました」
《ランチャーの発射構造などに関する技術的なやり取りが続いた後、多和田隆史裁判長が質問を始める》
裁判長「視力は良いですか」
被告「かなり良いです」
裁判長「ゴムボートで第2昭南丸に近づいたとき、乗組員の姿は良く見えましたか」
被告「はっきり見えました」
裁判長「(酪酸入りの瓶を)ブリッジにめがけて撃った理由は?」
被告「(ブリッジと離れた)船尾の方にきちんと防護服を着ていない人がいました。ブリッジの方は誰にも被害が及ばないと思いました」
裁判長「(圧縮空気で水を発射する)インパルス銃を見たのはこの日が初めてですか」
被告「違います」
裁判長「発射されるのを見たのは初めてですか」
被告「そうです」
裁判長「あなたに水しぶきはかかりましたか」
被告「いいえ。インパルス銃から発射された水は彼ら(発射した第2昭南丸の乗組員)に戻り、彼ら自身がぬれていました」
裁判長「なら、あなたには(インパルス銃から発射された液体に)化学成分が入っているか分からないのではないですか」
《ベスーン被告はインパルス銃の中の液体に化学物質が入っていて、その化学物質が乗組員のやけどなどを引き起こした可能性を主張している。裁判長はベスーン被告の主張に疑問を投げかける》
被告「彼らの何人かにインパルス銃の液体がかかり、彼らが(船の)船首の方向に走っていきました。外部からの侵入を防ぐため、水だけを撃つ行為は無駄に近いです。しかし化学物質が入っていれば、有効です」
裁判長「酪酸の影響で(乗組員たちは)走ったのではないですか」
被告「違います。彼らはインパルス銃を撃った1、2秒後に負傷しています。彼らは酪酸が原因だと思ったかもしれませんが、私はインパルス銃に入っていた化学物質が原因だと思っています」
《「化学物質が入っていた」とする主張に関して具体的な根拠を示さないまま、ベスーン被告は持論を展開した。裁判長の尋問が終わると、女性弁護士が手を挙げて再尋問を始める。弁護人は法廷内の大型スクリーンに第2昭南丸の見取り図を示しながら尋ねた》
弁護人「けが人が出ることを無視してランチャーを撃つとしたら、どこが狙いやすいですか」
《ベスーン被告はブリッジの中央よりも船尾に近い壁を指し示した。事件当時、実際には中央よりも船首よりの部分を狙ったとされる》
弁護人「実際にはそこを狙わずに、船首の方を狙いましたね?」
被告「はい」
弁護人「なぜですか」
被告「(船尾よりの壁の近くに)人がいたからです」
《弁護側の再尋問が終わり、検察側の再尋問が始まる。男性検察官は、東京海上保安部が傷害などの容疑で逮捕状を取っているSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)の関与について質問していく。ベスーン被告は法廷で、ワトソン容疑者に関する供述を拒むなどしている》
検察官「SSでは捕鯨船への攻撃はメンバーの会議で決まるのか、それともポール・ワトソン(容疑者)が決めてメンバーに伝えるのか」
被告「通常は高い地位の人が集まって会議で決めます」
検察官「ポール・ワトソンは必ず会議に参加しますか」
被告「多くの場合、彼は参加しません」
検察官「取り調べでの説明と、ここでの説明が違っていると思いませんか」
《検察側のベスーン被告の供述調書によると、ワトソン容疑者は昨年6月に開かれた会議で、ベスーン被告にランチャーの用意を指示したとされる》
被告「そうではありません」
検察官「今回の裁判でポール・ワトソンに関する供述について信用性を争うことを決めたのは、あなたですか、それともほかの誰かですか」
《検察官は語気を強めてベスーン被告に問いただした》
被告「私です」
検察官「それはなぜ?」
被告「自分で責任を取るためです」
検察官「取り調べでは最初、ポール・ワトソンの名前を出していたのに、途中から『名前を出すことは嫌だ』と言い出しましたね?」
被告「はい」
検察官「ポール・ワトソンの名前を調書に書くことを拒否しましたね?」
被告「拒否する権利が私にはあります」
検察官「なぜ途中から拒否することを決めたのですか」
被告「ノーコメント」
《勢いに乗る検察側に比べて、ベスーン被告の声は弱々しい》
検察官「SSの上から指示があったんじゃないですか」
被告「違います」
検察官「ポール・ワトソンがこの裁判に対してどのように話しているかについて、取り調べ段階で分かっていましたか」
《ワトソン容疑者はメディアを通じて、ベスーン被告に「徹底した法廷闘争」を求める発言を繰り返していた》
被告「ノーコメント」
《そして、検察官は最後の質問を投げかける》
検察官「あなたにとってポール・ワトソンの印象は?」
被告「私にとって、偉大なる指導者です」
検察官「終わります」
《ベスーン被告は小さい声ながら、はっきりとした口調でワトソン容疑者を礼賛した》
《この後、男性裁判官がランチャー発射時の状況について再尋問を行い、午後3時43分、被告人質問が終了した。次回は10日午後1時半から、検察側の論告求刑と、弁護側の最終弁論、被告の最終意見陳述が行われ結審する予定だ。ベスーン被告はこうしたスケジュールに関する通訳の言葉に数回、頷いた》
=(完)
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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、鳩山由紀夫首相は10日午前、首相官邸で関係閣僚会議を開き、政府案とりまとめに向けて協議した。米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する現行計画の修正案と鹿児島県・徳之島への海兵隊部隊の一部か訓練移転に加え、米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)の戦闘機訓練を全国の米軍や自衛隊基地に移転する案など総合的な沖縄負担軽減案を検討する。
【今さら聞けない 図説でおさらい】どうして普天間問題がこじれているのか 鳩山首相は10日午前、関係閣僚会議について「みんなで今日までの状況をきちっと確認するということだ。最終的な方向をみんなで作り上げていく努力の一環であることは間違いない」と強調した。首相公邸前で記者団に語った。
閣僚会議には平野博文官房長官、岡田克也外相、北沢俊美防衛相、前原誠司沖縄担当相が出席。移設修正案はシュワブ沿岸部か沖合にくい打ち桟橋(QIP)方式で滑走路を建設する案が軸。沖縄の負担軽減策では嘉手納基地の訓練移転に加え、久米島、鳥島の射爆撃場やホテル・ホテル訓練区域の一部返還なども検討するとみられる。
政府は10日の関係閣僚会議の結果を踏まえ、12日にもワシントンで日米外務・防衛当局の審議官級協議を開く方向で調整している。【仙石恭、影山哲也】
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